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2020.05.18
グランドピアノにはカバーはすべき?メリットとデメリットを検証する
自宅にピアノがある。
それだけで、心は満たされますね。そのピアノが、電子ピアノなどではなくグランドピアノであればなおさら、豊かな音量が生活に潤いを与えてくれます。
家庭にピアノがある場合、気になるのはそのケアの仕方です。
むき出しのグランドピアノは、埃などの影響が気になるところ。
それでは、グランドピアノにカバーをするメリットはあるのでしょうか。
今日は、グランドピアノとカバーの関係についてみていきましょう。
グランドピアノにカバーをかけた場合のメリット
姿も美しいグランドピアノ、きれいに保つために練習後にカバーをかけている人は少なくありません。思い入れが深くて、場合によってはカバーを手作りする人もいるかもしれませんね。
グランドピアノは、日当たりのいいサロンなどに設置すると日光で日焼けし、外装が色あせてしまう可能性があります。それを避けるために、カバーをかけることは意味があるといえるでしょう。
また、部屋の中は思いのほか埃が舞っています。グランドピアノを汚れから守るためにも、オールカバーは有効です。
通気性が命のピアノ、カバーをかけた場合のデメリットも
実際、グランドピアノにカバーをかけるかかけないかについては賛否両論があります。
ピアノの大敵のひとつに、湿気があります。そうでなくても湿度が高い日本では、ピアノをより良い状態に保つために、この湿気の除去には十分な注意が必要なのです。
あまり厚いカバーをグランドピアノに長時間かけておくと、当然のことながら湿気によってピアノの内部にカビや害虫が発生する可能性もあり。
そのため、カバーをかける場合には、ときどきグランドピアノの蓋をあけて通気性をよくすることが必須です。これは、普段ピアノを弾かない場合も同じ。毎日、あるいは定期的にピアノを弾く習慣のある人、そうでない人も、時にはカバーを外してあげるのがよいでしょう。
カバーを選ぶ場合には、あまり厚手の布製のものは避けるのも大事な条件です。
カバーをすることで生じるその他のデメリット
そのほかにも、カバーをしてしまうことで生じる欠点がいくつかあります。
黒艶出しピアノ、木目も美しいピアノなどなど、ピアノは外観の美にも魅力があります。こうしたピアノにカバーをかけてしまうことは無粋だ、という意見もあります。確かに、ピアノを大事にして外観を損ねることを怖れてカバーをするのは理解できますが、やはりピアノの姿をあるがままに堪能したい場合にはカバーは邪魔なのですね。
また、グランドピアノにカバーをした場合、演奏するたびに外したりかけたりという作業は案外面倒なもの。面倒なために、ついつい練習をするときにはカバーを半分かけたままにして演奏してしまうことも。当然のことながら、ピアノが発する音はカバーに吸収されて音がこもってしまいます。
そのカバーにも当然埃がたまりますから、定期的に洗って清潔に保つことも必要になってきます。
一生モノのピアノを大事にするために
楽器の中でも大型に属するピアノは、まさに一生ものです。
より長くその品質を保持したいと願うのは、ピアノを所有している人の共通の願いです。
グランドピアノのカバーは、それをすることのメリット・デメリット双方が存在します。
普段弾くことがない場合は特に、埃を避けるためにオールカバーをしたいのは当然のこと。
そのような場合でも、ピアノの命は通気性であることを念頭に置き、定期的にカバーを外して内部を乾燥させてあげましょう。
また、カバーをするしないのまえに、常日頃からピアノの本体や鍵盤部分の埃や汚れには細心の注意をし、清潔に保つこともグランドピアノには必要なケアなのです。
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