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2019.12.17

一度見たら忘れられない!ピアノによって名画となりえた映画たち

私たちの日常生活の中で、ピアノは最も親しみやすい楽器として根付いています。
そのピアノが、作品中で重要な役割を果たす映画作品がたくさんあるのをご存知ですか。
脇役ながら主人公たちをより魅力的に彩る小道具であったり、あるいはピアノなしには成り立たない作品もたくさんあります。
今日は、そのいくつかをご紹介しましょう。

ピアノによって名画となりえた映画たち

作品中に使用されたピアノは、日本にもあったことが!名作中の名作『カサブランカ』(1946年公開)

1946年に発表された『カサブランカ』は、美男美女がハリウッドを席巻していた時代の名画中の名画です。
「君の瞳に乾杯!」という名台詞が有名ですが、実は「アメリカ映画100年シリーズ アメリカ映画の名セリフ100」では「あれを弾いて、サム。時の過ぎ行くままにを」というフレーズが第28位にランクイン。凛冽な美しさを誇るイングリッド・バークマン演じるイルザが、甘く切ない恋の思い出である曲をピアニストにリクエストするシーンなのです。
この時使用されたピアノは、バブルの時代に日本の富豪によって落札されて長らく日本に存在していました。
2014年、このピアノを持ち主の企業が手放し、レオナルド・ディ・カプリオによって落札されてアメリカに渡ったというエピソードがあります。
全編を貫く『時の過行くままに』の甘やかなメロディー、作品の中で小道具として重要な役割を果たすピアノ。
名画『カサブランカ』を、音楽やピアノに注目して鑑賞するのも一興です。

主演俳優は、毎日4時間のピアノの猛特訓!モーツァルトをテーマにした『アマデウス』(1984年公開)

「わたしは、下品かもしれません。でも、私の作品は下品でないことは保証します」。
これは、モーツァルトが作品中で皇帝に向かって言う言葉です。
モーツァルトの美しいメロディーや、お土産用のチョコレートのパッケージもなっているイケメンの肖像画が頭に残っている人にとって、下品でハレンチな『アマデウス』のモーツァルトはひじょうにショッキングです。モーツァルトの故郷では、上映禁止処分になったというニュースもありました。
しかし、音楽の秀才サリエリから見た圧倒的な天才モーツァルトという設定は、絶妙です。
ピアノの演奏では定評のあったモーツァルトを演じた俳優トム・ハルスは、この作品のために1日4時間の猛特訓を受けて撮影に臨んだそうです。
そのかいあって、トム・ハルスはこの作品でアカデミー主演男優賞にノミネートされています。

カンヌ国際映画祭やオスカー主演女優賞を総なめした『ピアノ・レッスン』(1993年)

原題は、そのままずばり『ザ・ピアノ』というこの作品、ピアノをコミュニケーションの手段にする口がきけない女性が主人公です。
ミステリアスで官能的で、1994年のあらゆる映画の賞を総なめにしました。
雄大なニュージーランドの浜辺にぽつんと取り残されるピアノと、主人公の女性の孤独感、その後の激しい愛が印象的な作品です。
音楽を担当したのは、ピアニストのマイケル・ナイマン。女性の気性の激しさも悲しみも、すべて表現しているようなピアノによるサウンドトラックには、深い精神性があふれています。

バリバリのクラシックに親しみたい人のための『シャイン』(1997年公開)

神童といわれた実在のピアニストデヴィッド・ヘルフゴットを描いたこの作品、たいへん珍しいことにモデルとなったヘルフゴット自身が演奏シーンを担当しています。
この作品で、ラフマニノフの名前を知ったという方も多いかもしれません。
また、青年期と成人後を演じたいずれの俳優の演奏シーンも、手に汗を握らせる迫力にあふれています。
父から厳格な音楽教育を受け、屈折したその愛情を受け止めきれなかったデイヴィットが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を見事に演奏した後に精神を狂わせてしまうシーンは鬼気迫るものがあります。しかし、その後のデイヴィッドの無邪気な立ち直りが、これまた感動を呼ぶ作品でもあります。

エンニオ・モリコーネの物悲しいメロディーが印象的な『海の上のピアニスト』(1999年公開)

イタリア人作家アレッサンドロ・バリッコの著作が映画になった『海の上のピアニスト』。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督が演出する透明感ある作品です。
『海の上のピアニスト』は、豪華客船内で生まれ、船内でピアノを弾くことを生業とし、生涯下船しなかったピアニストの物語です。このピアニストを演じるティム・ロスのクールな演技と、熱いピアノの演奏が対極をなした魅力となっています。
揺れる船の上でも泰然とピアノを弾き続けるシーンは楽しく圧巻!
ちなみに、作品中でピアニストを演じたティム・ロスもクラレンス・ウィリアムス3世も、ピアノは未経験者であったのだとか。

音楽は生き残りへの光、ナチス占領下のピアニストの運命を描いた『戦場のピアニスト』(2003年公開)

カンヌ国際映画祭パルムドール、アカデミー賞など数々の賞を受賞した『戦場のピアニスト』。実在のピアニストであったウワディスワフ・シュピルマンの著作が原作になっています。
史上最年少の29歳でアカデミー主演男優賞に輝いたエイドリアン・ブロディは、実際にピアノのディレッタントであったそうです。
ナチス占領下でむごい運命をたどったポーランドとユダヤ人たちの物語に、ショパンの音楽が悲しくも優しく寄りそう名作といえます。

「譜めくり」にスポットを当てた作品『譜めくりの女』(2008年公開)

ピアノを演奏する際に、その質を左右するともいわれる「譜めくり」。
黒い服を着て地味な黒子的な存在ですが、この譜めくりにスポットを当てた作品が2006年にフランスで制作された『譜めくりの女』です。
フランスの作品らしい極上のミステリーが、ピアノをはじめとするさまざまな楽器や音楽を背景に進行していきます。
譜めくりってそんなに重要な役割だったのかと目から鱗が落ちます。

映画とピアノ曲、その美しき関係

シンプルなピアノの旋律が、頭に残って消えないという経験は誰にでもあります。
その際たるものが、『戦場のメリークリスマス』(1983年公開)の中で坂本龍一さんが奏でた『メリークリスマス、ミスターローレンス』でしょう。ピアノを習っている人ならば、誰でも一度は弾いてみたいと思わせる美しい曲です。同映画のサウンドトラックは、英国アカデミー賞作曲賞を受賞しました。
また、ショパンのピアノ曲も映画と無縁ではありません。ショパンの人生を描いた映画『別れの曲』(1934年公開)には、メインテーマとしてショパンが作曲した『練習曲作品10-3』が使用されています。ショパンのドラマチックな人生と、美しいメロディーがとてもマッチしていたことから、日本では『練習曲作品10-3』を『別れの曲』という通り名で親しまれるようになりました。

日本でも続々と後悔されるピアノをテーマにした映画

近年、日本でもピアノをテーマにした映画が次々と登場しています。
2007年に公開されたアニメ『ピアノの森』をはじめ、若い方たちに人気の作家宮下奈都さん原作『羊と鋼の森』(2018年公開)はよく知られています。『羊と鋼の森』は、ピアノの調律師に脚光を当てた特異な作品です。
また、ピアノコンクールを舞台に繰り広げられる若者たちのドラマを描いた『蜜蜂と遠雷』(2019年公開)も、大きな話題になりました。

映画は、画像と音響で成り立っています。
美しいピアノの姿、その音色は、映画の出来不出来を左右する大切な要素になりうるのですね。

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