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2019.06.11
アップライトピアノの大きさはどれくらいか
アップライトピアノを購入される際に、実際にどれくらいの大きさがあるのか、大きさの違いによってどんな性能の差があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
それぞれ具体的にご説明していきます。
アップライトピアノの具体的なサイズはどれくらいか
アップライトピアノのサイズはどれくらいか
アップライトピアノの大きさは現行のヤマハのモデルで言えば、高さが113cm~131cm、間口が149cm~153cm、奥行きが53cm~65cmとなります。
他のメーカーの物に関しても一般的に、高さは114cm、121cm、131cmのものが多くなっています。
家に置くにはどれくらいの場所が必要か
実際にピアノを置く際に家にはどれくらいのスペースが必要でしょうか。
ピアノは通気性を高めることと、転倒を防止するためと、背面から出る音を横に逃がすことができるようにするために、ピアノの背面を壁から10cm~15cm離すことが推奨されています。また、音が共鳴しない為に、左右の壁からピアノ本体まで5cm~10cmのスペースが必要です。
さらに、座るための椅子を置く必要があることから、壁からは100cm~120cm分程度のスペースは必要になります。
間口160cm程度、奥行き100cm~120cm程度は確保しておく必要があります。
先程のサイズを見ていただいても分かる通り、間口や奥行きに関しては機種ごとに差はあまり大きくなく、主な違いは高さになります。
高さが高いことによる圧迫感を気にされるお客様もいらっしゃいますが、住宅の天井の高さは面積の広さに比べると各家庭ごとに差は大きくなく、最初は低いピアノを探していたが、最終的には130cmのアップライトのピアノを買われたお客様でも、思ったより圧迫感は無かったという方も多くいらっしゃいます。
以下でご説明するような高さの違いによる音・弾きやすさの違いなども含めて検討いただくことをおすすめしております。
アップライトピアノの背の高さの違いで何が違ってくるのか
一般的に背が高いピアノの方が、ダイナミックレンジが広く豊かで、伸び・響きが良い音が出ますし、弾く際にも気持ちよく弾くことができます。
パーツの違いによる具体的な違いをご紹介していきます。
弦の長さの違い
背の高さが高いことによって、低音弦も長く取ることができます。そのため背の高いピアノは低音弦の巻き線を細く、長く取ることができます。それによって弦の振幅が大きくなることで、音の変化の幅が大きくなり、より魅力的な低音に繋がります。
響板の面積の違い
また、背の高さが広いということは響板自体を大きくすることができます。アコースティックピアノは弦の振動が響板に伝わり、響板を中心に楽器全体が振動することで音色が完成します。響板の面積が広いほど、大きな音を出すことができ、安定した低音と華やかな高音が作り上げられます。
駒と響板の位置の違い
ピアノの鍵盤ハンマーにより打たれた弦の振動が、駒を通じて響板に伝えられます。背の高いピアノの方が低音の駒と響版の接地面が響板の中心に近い部分にあるので、低音の響きが良くなるのです。
アクション部品の大きさの違い
背の高さを低くするために、ピアノの音色を決めるのに重要な役割を果たすアクションのパーツが小さくなっています。
以前グランドピアノとアップライトピアノ、鍵盤の違いについての記事でご紹介したようにアップライトピアノの鍵盤は写真のような構造をしています。
特に背の低いピアノの場合はキャプスタンボタンを支えるワイヤーが、背の低いピアノの場合ただのネジになっているものがあります。
ワイヤーの場合は鍵盤の軽さの調整をすることができ、それによって弾きやすさを調整することができます。
鍵盤の長さの違い
背の高いピアノの方が隠れている部分も含めた鍵盤の長さを長くすることができます。鍵盤の支点までの比率が大きくなることで、指先の力がハンマーアクションに伝わりやすく、細かな音の表現がしやすくなります。
以上のような違いから、背の高さの違いによって作りが異なり、結果として音色やタッチの違いにつながってきています。
購入される際には、実際に試弾して好みのピアノの音、ピアノタッチのものを選ばれることをおすすめします。
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