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2019.05.07
トップピアニストに愛され続けるグランドピアノ「ヤマハCFX」とは
コンサートグランドピアノの頂点に立つ名器のひとつが、世界的な楽器ブランドヤマハの手がける「ヤマハCFX」です。
ギターやバイオリンにも高級な作品は数多くありますが、重量が重く、気軽に持ち運ぶことのできないグランドピアノは、演奏の質を大きく左右するプロにとっての要です。
今回は、ヤマハのコンサートグランドピアノがどういう楽器なのか、どういった部分にこだわっているのかをご紹介していきます。
世界のトップピアニストたちに愛用されている「ヤマハCFX」とは
ヤマハCFXは、2010年の7月にヤマハが満を持して発売したコンサートグランドピアノです。
通常の空間とは違い、音響や照明を工夫して作られたコンサート用空間のホールでは、小さなピアノだと隅々まで音を届けることができません。
電子ピアノやギターと違って、あくまでもアコースティックな楽器であるグランドピアノは、響きの大きさや音色の美しさをごまかせないからです。
また、アコースティックな楽器であるピアノは、湿度やメンテナンス次第で劣化します。高い金額を払って演奏者のピアノを楽しもうとしている聴衆の前で、質の低い演奏を披露するのは褒められたことではありません。
何より、演奏者であるピアニスト本人が音に納得・満足できなければ、コンサートは質の高いものにならないでしょう。
そこでヤマハは1967年に戦後初となるコンサートグランドピアノ「CF」を生み出して以来、より高品質なコンサートグランドピアノの開発シリーズを追求し続けてきました。
技術の進歩、音に対する理解の変化、有力なアーティストの誕生などによって、時代を経るごとにコンサートグランドピアノに求められるクオリティーは上がっていきます。
ヤマハCFXは、力強く繊細にピアニストの表現をホールに響かせるために作られた、伝統あるヤマハコンサートグランドピアノCFシリーズの頂点に立つフラッグシップモデルなのです。
ヤマハCFXの基本情報
ヤマハCFXは、CFシリーズの中で最も金額が高く、希望小売価格は税抜きで1,900万円となっています。
当初はフラッグシップモデルであるフルサイズのコンサートグランドピアノ、ヤマハCFXのみ販売されていましたが、翌年2011年の1月には、やや奥行きの短いヤマハCFX6とヤマハCF4も発売されています。
発売から10年近く経った2019年時点でもモデルチェンジされていないという事実こそが、ヤマハCFXの品質の高さを表しているといっても良いでしょう
ヤマハが19年の歳月をかけて開発したモデル
ヤマハCFXの開発には、構想から販売まで19年もの時間がかかっています。ピアノを作る上で欠かせない木材の専門家、金属加工の専門家、調律師など、のべ40名ものスペシャルメンバーが中心となって開発したモデルです。
基本的に全パーツを職人による作業で作っており、細かい部分まで一切妥協がありません。指先のタッチを左右する鍵盤とハンマーをつなぐ箇所に関しては、ズレが100分の5ミリ以下という驚異的な精度で作られています。
また、音の響きを決める響板についても、木材加工のプロが一枚一枚木の状態や特性を見ながらスプルース材を組み合わせて作成。強いタッチの音はもちろん、繊細な指使いで鍵盤を奏でてもコンサート中に音が響くよう、最高の状態に仕上げてあります。
さらに、ピアノの骨格であるフレームも1台ごとに鋳造。シリーズ名がついているためオーダーメイドのピアノではありませんが、ほぼオーダーメイドに近いクオリティーで作られているほど高い品質を誇っています。
高品質でオリジナルのものを作るためにピアニストたちの声をヒアリング
ヤマハCFXの優れている点として見逃せないのが、「実際に演奏をするトップピアニストたちの意見」を取り入れていることでしょう。
ヤマハCFXの基本的な設計ができたのは2008年のこと。そこから、日本・アメリカ・フランスなどの各国にある大きなコンサートホールで非公開でのピアノ評価イベントを実施しています。
世界中から40人前後のアーティストに集まってもらい、他社のピアノと試作版ヤマハCFXの音を聴き比べてもらって少しずつブラッシュアップしているのです。演奏者も、ヤマハのピアノの癖を知り尽くしているピアニストではなく、あえて普段はヤマハのピアノを使っていないというピアニストを起用しています。
その結果、技術の高さだけでなく、ピアニストやトップアーティストたちの意見を反映した、コンサートグランドピアノヤマハCFXが誕生しました。
最高グレードのコンサートグランドピアノヤマハCFX
ヤマハCFXは、ヤマハが総力を結集して生み出した最高級のコンサートグランドピアノ。
多くのトップピアニストが音色の美しさや操作性の良さを高く評価しています。楽器を上達する上で、「良い楽器に触れる」ことはとても重要です。将来プロを目指している人も、そうでない人も、機会があればぜひ一度触ってみてください。
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