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2018.11.06
ピアノで腱鞘炎になってしまうワケは?大人のための腱鞘炎の予防法と対処法
ピアノを長時間練習することで、腱鞘炎になることがあります。特にピアノを久しぶりに触る方や初心者の方は、腱鞘炎に注意しなければいけません。今回は、大人のための腱鞘炎の予防法や対処法をご紹介します。
ピアノを弾く方に起こる腱鞘炎の症状
腱鞘炎とは、筋肉と骨をつなぐ腱の周囲を覆う「腱鞘」が炎症を起こしたり損傷したりすることで発症します。腱鞘炎になると、痛みを感じたり腫れて動かしにくくなったりします。腱鞘炎にはさまざまな種類があり、ピアノを弾く方に起こりやすいのは、ド・ケルンバ病と呼ばれるものです。親指の付け根あたりが痛むのがド・ケルンバ病の特徴です。また、ひじに痛みを感じる上腕骨上鞘炎も、ピアノを弾く方に起こりやすいといわれています。
腱鞘炎の予防法
腱鞘炎の予防には、以下のような方法が考えられます。
休憩をはさみながら練習する
長時間のピアノの練習は、手首やひじに大きな負担がかかります。初心者の方やピアノを久しぶりに演奏する方は特に、練習時間を短く設定して、休憩をはさむようにしましょう。
演奏中は脱力を意識する
慣れないフレーズを練習するときに、身体に力が入りすぎてしまうことがあります。身体に力が入りすぎてしまうと、手首やひじへの負担が増え、腱鞘炎を起こしやすくなります。練習中は「脱力」を意識して、身体に力が入りすぎないように注意しましょう。
指や手首をよく温める
「脱力」を意識した演奏をしていても手首や指には負担が掛かってしまいます。練習をしても、全く手首や指のケアをしていないと、手首や手の筋肉は硬くなります。そのため、練習後にはお風呂で手首や指を温めるようにしましょう。熱いお湯では刺激が強すぎるので、ぬるま湯で温めることがおすすめです。
腱鞘炎になったときの対処法
ピアノの練習中、手首やひじに疲れや痛みを感じたら、ピアノを弾くのを中止しましょう。腱鞘炎は、無理に動かすと他の部位にまで痛みが広がり、日常生活に支障をきたすほど悪化することもあります。症状が軽ければ、湿布やテーピング、サポーターなどで対処しましょう。痛みが続くようであれば、ステロイド注射や手術で治す方法もあります。
手を痛めたらピアノの弾き方を見直そう
腱鞘炎になった方は、正しいフォームで弾けているかを確認しましょう。弾き方が原因で腱鞘炎を起こしている場合、その弾き方を続ける限り何度も腱鞘炎にかかる可能性があります。長くピアノを楽しむためには、ピアノの弾き方を見直すことが大切です。初心に戻って、椅子の高さや位置、譜面台の角度などを調整して、身体に負担のないフォームを身につけることが大切です。
自分に合った鍵盤(タッチ)のピアノを選ぼう
タッチが重いピアノで練習していることが、腱鞘炎の原因になることもあります。理想は、自分に合ったタッチのピアノを選ぶことです。タッチの合わないピアノを使用している場合、一度調律師に相談し鍵盤の重さを変えてみてはいかがでしょうか。それでも、合わない場合はピアノの買い替えのタイミングかもしれません。中古ピアノなら比較的安く購入でき、メンテナンスがキチンとできていればパフォーマンスも十分です。腱鞘炎に何度もかかっている方は、中古ピアノの買い替えで腱鞘炎を防ぐことができるかもしれません。
腱鞘炎は「長時間の練習、身体に負担のかかるフォーム、自分に合わないタッチ」などが原因で引き起こされます。今回ご紹介した方法で、腱鞘炎の対策を行い、長くピアノを楽しみましょう。
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