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2018.10.23
電子ピアノとアコースティックピアノの違いとは?
電子ピアノとアコースティックピアノには、発音の仕組みに大きな違いがあります。そのほかにも、タッチや音色、表現力、ペダルなどもそれぞれの特徴が異なります。今回はそんな電子ピアノとアコースティックピアノの違いについてご紹介します。
電子ピアノとアコースティックの違いと特徴
発音の仕組みの違い
電子ピアノとアコースティックピアノの一番の違いは、発音の仕組みです。アコースティックピアノは指先で鍵盤を押すとハンマーが動き、そのハンマーが弦を叩くことで音が出ます。打弦による振動が響板を伝わって広がることで、アコースティックピアノ特有の豊かな響きが生まれるのです。一方、電子ピアノには弦がありません。鍵盤は音を出すスイッチのようなもので、鍵盤を叩くと録音された音源が発音されます。デジタル技術で音の広がりや余韻を表現しています。
タッチの違い
アコースティックピアノは、非常に複雑な仕組みによって構成されている楽器です。音を生み出す打弦機構に使われている部品の数はなんと約5,500個。鍵盤を押した時に感じるピアノ独特のタッチは、打弦機構を構成する部品のひとつひとつが重なり合うことによって生み出されています。
一方、電子ピアノはアコースティックピアノほどの複雑な機構を持っていません。そのため、深みのあるアコースティックピアノのタッチに比べると、やや物足りなさを感じるかもしれません。しかし、最先端技術によってアコースティックピアノのタッチの強弱を再現するなど、さまざまな工夫が凝らされた電子ピアノが登場しています。
音色の違い
アコースティックピアノの音色の特長は、共鳴にあります。弾いた弦の音がその他の弦に伝わり、弦と弦の共鳴が生まれます。共鳴による表現力豊かな音色は、弦と弦が隣り合って並ぶ、アコースティックピアノの構造だからこそ生まれるものです。構造の異なる電子ピアノでは、アコースティックピアノのような共鳴は起こりません。
電子ピアノの音は、アコースティックピアノから録音したものを元に作られています。最先端のデジタル技術によって、ピアノの音色を高いレベルで再現していますが、アコースティックピアノに比べると少し単調に聞こえるかもしれません。
表現力の違い
アコースティックピアノは、弾き方や弾く力の変化を敏感に感じ取り、即座に音で表現する力に長けています。音色の強弱や伸びの他、柔らかさや鋭さを表現力豊かに操ることができます。
このような表現力は「タッチの違い」「音色の違い」でも説明したように、アコースティックピアノが持つ複雑で繊細な打弦機構によって生み出されています。
電子ピアノの音はピアノの音を録音したもののため、アコースティックピアノに比べるとやや表現力に欠ける部分があります。最近では、ピアノの音を長めに録音してアコースティックピアノの余韻を再現するなど、さまざまな工夫が凝らされた電子ピアノが登場しています。
ペダルの違い
アコースティックピアノには、音を伸ばす「ダンパーペダル」、直前に押した鍵盤のダンパーが弦から離れ、その音の余韻を残す「ソステヌートペダル」、音がやわらかくなる「ソフトペダル(シフトペダル)」などがあります。一方、電子ピアノのペダルはメーカーによって異なります。最初からソステヌートペダルやソフトペダル(シフトペダル)がついたものもあれば、キーボードの場合は別売りされていることもあります。
電子ピアノは使い勝手が良く、置く場所にも困らないため、練習用として自宅で利用するのに適しています。しかし、長くピアノを続けるなら、アコースティックピアノがおすすめです。アコースティックピアノは、弾き方やタッチによって無限に音色が変わります。曲想をつけて表現豊かに演奏することも可能です。
また、演奏会やコンクールなどで利用するピアノは、多くがアコースティックピアノです。演奏会やコンクールで演奏するためには、できるだけアコースティックピアノに触れ、その特性に慣れておいた方が有利だといえます。
値段が気になるという方には中古ピアノがおすすめです。メンテナンスの行き届いたものであれば、新品と遜色のない演奏が可能です。
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