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2018.07.17
音の響きはコレで決まる!ピアノの「響板」とは?
音の響きに影響する部品、「響板」は、ピアノの心臓といわれているほど重要な部分です。そのため、中古ピアノを選ぶときは特に重要視する必要があります。今回は、「響板の概要」と「中古ピアノを選ぶときに注意したい響板の欠陥について」ご紹介します。
ピアノの響板は何のためにあるの?
響板とは音響部材の板のことで、音を増幅させたり豊かにしたりする役割があります。響板の場所は、グランドピアノはフレームの下、アップライトピアノはフレームの奥で垂直に立っています。
響板が音を響かせる仕組みは、以下のようになっています。
- 鍵盤を押す
- 鍵盤の奥にあるハンマーが連動する
- ハンマーが弦を下から打つ
- 弦の振動が駒に伝わり、駒から響板に伝わることで響板全体が振動する
- 響板が空気を振動させる
- 大きな音が鳴る
弦の振動は駒を介して響板に伝わり、響板が空気を振動させることで大きな音が鳴ります。つまり、響板は弦の音をより響かせるためにあります。ピアノは響板を中心に、楽器全体が振動して音を出しているのです。
ピアノの響板が木から作られているわけ
ピアノの響板は、木から作られています。「音を響かせることが目的なら、金属製のほうがいいのでは?」と考える方もいますが、響板が木で作られているのには理由があります。
金属製の棒を叩くと、鉄琴のキーンという高い音が出ます。これでは少し音が高すぎて、耳障りに感じてしまいます。その一方、木はこの高すぎて耳障りな音を吸収し、低音だけを響かせるという習性があります。
ピアノの丸みのある音は、木で作られた響板が耳障りな音を吸収してくれるお陰なのです。
各ピアノメーカーは美しい響きを追求するために、響板の木の種類にこだわっています。例えば、大手ピアノメーカーでは、エゾマツやアラスカ産のシトカ・スプルースという木を響板に使っています。
中古ピアノを選ぶときは、響板の欠陥に注意!
ピアノにとって致命的な欠陥のひとつは、響板に起こります。響板の欠陥は、雑音や不鳴りを引き起こします。しかし、響板の欠陥はピアノを見て発見できるものではありません。欠陥に気づくには、ピアノを弾いてみることが大切です。ピアノを弾いてみて、「特定の鍵盤で雑音が出る」、「鳴りや響きがよくない」と感じたら、そのピアノは避けたほうがよいでしょう。
中古ピアノの響板の欠陥を見逃さないためには、店舗で試弾してみることが一番です。ピアノ初心者の方や、聞き分けられる自信がない方は、スタッフに試弾してもらうのをおすすめします。
ピアノの心臓といわれるほど重要な、響板。響板の欠陥は、雑音や不鳴りを引き起こします。中古ピアノを選ぶときは響板に欠陥がないか調べるために、試弾がおすすめです。
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