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2017.12.12
材質のよいピアノを長く使う。中古ピアノのすすめ
ピアノの購入時の選択肢には、新品と中古があります。中には、「誰が使っていたか分からない中古品はいやだ」という方もいるかもしれません。しかし実は、安い新品を購入するより中古のほうがよいピアノに出会える可能性があるともいわれています。
今回は、よい中古ピアノを見極める際に大切な「材質」について、また、気になる「色抜け」や「湿気」についてもご紹介します。
ピアノの音色に深く関わる「材質」について
ピアノの材質は音色に直接影響するため、非常に大切です。ピアノの材料として大きな役割を占めるのが、「木材」です。木材には、「音の響きや伸びがいい」「軽くて強い」「接着性がよく、加工が安易」「外観や触感が人間の感性に合う」などの特長があり、昔から多くの楽器に使用されています。ピアノに使用される木材には、「スプルース」「カエデ」「ブナ」などがありますが、中でも代表的なのが「スプルース」です。スプルースは、楽器部材の中でも「比重が少ない(弦の振動を増幅するのにロスがない)」「音響伝播速度が速い」など音響特性に優れているのが特長で、音と密接に関係する響板や響棒に用いられています。
最近は、安価な新品ピアノが多く出回っていますが、安い分材質や造りがよくないものが多くあります。一方、ヤマハピアノは材質がよく造りがしっかりしたものが多く、中古でもきちんとメンテナンスされていればしっかり弾けるピアノがたくさんあります。新品にこだわって購入するのも良いですが、中古でも材質がしっかりしているピアノを選ぶという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。
木目調ピアノに多い「色抜け」について
黒塗装ピアノと木目調ピアノでは、木目調ピアノのほうが色抜けしやすいといえます。購入時は黒よりも高価な木目調ですが、色抜けが生じている場合は売却時に安価になります。
木目調ピアノを購入する場合は、設置場所や保管方法に配慮し色抜けしないようにしましょう。木目調ピアノを色抜けさせないための注意点をご紹介します。
壁と密着させない
ピアノが壁に密着していると、塗装面に弊害が出てしまいます。片手が入って拭けるくらいの間隔を空けておきましょう。
直射日光を避ける
直射日光は色抜けの原因になるので厳禁です。
日ごろのお手入れ方法に気をつける
ピアノを拭くワックスは、調律師や楽器店に相談し専用のものを使用しましょう。ピアノの塗装によく使用されるポリエステルは、相性の悪いワックスと交わると化学反応で白く濁ってしまうことがあるため注意が必要です。
カバーをしない
保管時にカバーをすると、カバーがかかっている部分とかかっていない部分で色変化が起こりやすくなります。
ピアノの劣化原因になる「湿気」について
防音のために通気性のないオール・カバーをかぶせたり吸音材を取り付けたりすると、湿気やカビが発生しやすくなります。中身が錆びたり、虫食いの被害にあったりするので注意しましょう。
上述した通り、ピアノは「材質」が非常に大切です。「素人だからなんでもいい」と思わずに、材質がしっかりとしたピアノを選びましょう。安い(材質のよくない)ピアノを購入するなら、材質のしっかりとした中古ピアノを選ぶほうがよいかもしれません。
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