Information コラム・お知らせ
2019.02.05
長持ちさせるために知っておきたいピアノの修理費用を最小限に抑える4つのポイント
ピアノの構成パーツはアップライトの場合5,000個以上、グランドピアノでは1万個を超えることもあります。またピアノは木のパーツがほとんどであるため乾燥や湿気に弱く、長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが必要です。
ピアノの修理費用を最小限に抑える4つのポイントを解説
1. ピアノを購入した店舗であれば独自の保証で修理費用が抑えられることも
ピアノの鍵が重いため弾いても戻らない、弦が断線しているなどの症状を解決するためには各パーツのメンテナンスに関する知識と技術が必要です。自分で修理を試みることが困難な場合は、ピアノを購入した店舗で修理を相談・依頼しましょう。
長年使っておらず経年劣化が進んだピアノをオーバーホールする際は多用なパーツを調達しなくてはいけないため、個人で行うには難しいので調律師・楽器店の工房に依頼するケースがほとんどです。相応の費用がかかりますが、ピアノを購入した店舗で依頼すれば他店に依頼するより費用を安く抑えられることもあります。
店舗によっては自らの店舗で購入された楽器の修理をリーズナブルな価格で提供しているケースや、一定期間の保証期間を設けている場合があります。また中古で購入したピアノはメーカーの保証対象外となっているケースがほとんどですが、保証が適用されるピアノであれば修理費用を大幅に低減可能です。修理・部品交換に関する保証期間や対象は店舗によって定められている細目が異なるため、修理を依頼する際は保証書をチェックしましょう。
2. 複数の修理業者から見積もりを取ってトータルコストを比較する
スプリングやクロスといった各パーツの交換、塗装剥がれや打傷といった外装傷の修理など、修理内容が同じだったとしても費用は業者によって異なります。修理・交換費用を最小限に抑えるために、複数の修理業者から見積もり(相見積もり)を取ってトータルコストを比較しましょう。
グランドピアノやアップライトピアノは大きく重量があるため、解体修理など工房での作業が必要な場合はピアノが設置されている現地から工房までの搬入出・運搬費用が別途で発生します。ピアノが設置されている部屋の間取りや階層によってはクレーンによる搬入出作業を必要となり、県をまたぐような長距離の運搬は費用が高額になってしまうケースが少なくありません。
業者に依頼する際は修理費用そのものに加えて搬入出・運搬費用も見積もりで提示してもらい、トータルコストで比較して最も信頼できる業者に依頼しましょう。ピアノの修理自体は楽器店に依頼し、搬入・運搬は引越し業者やピアノ運送の専門業者に依頼するという使い分けもおすすめです。
3. 工房での引取修理が不要な場合は出張修理を依頼して運搬費を抑える
業者にピアノの修理を依頼する際、工房で引き取って修理を行うとなると、先述したとおり搬入出・運搬の費用が発生しトータルコストが高額になりがちです。そのため、工房での引取修理が不要な場合であれば、出張修理を依頼することで搬入出・運搬の費用を抑えることができます。
ピアノの軽微な修理は現地で修理できるケースがありますが、業者によって対応可能な地域やサービスなどが異なります。依頼する際はピアノ技術者が在籍し、自社の工房がある業者を利用しましょう。
修理に関する知識・技術が高水準な技術者にピアノのコンディションを確認してもらうことで、併せて直したほうがいい箇所や温度・湿度管理などのアドバイスをうけることができます。
ピアノはほとんどが木で作られているため、湿度や温度の影響を受けやすい楽器です。ピアノを設置している環境が高温多湿あるいは過度に乾燥していると、調律が乱れやすい点に加えパーツに反りが生じて割れてしまう場合があります。アドバイスをうけてピアノを置くに相応しい環境を知ることは故障リスクの抑制につながり、結果的に修理の機会を低減することが可能です。
4. 簡易なパーツの交換作業で済む場合は自分で修理を試みる
簡易なパーツの交換作業で済む場合は、自分で修理を試みることで業者に依頼するよりも費用が抑えられます。しかし専門的な知識や技術を持たない人が修理を試みると、症状を解決できない場合や故障・悪化を招くリスクが伴うので注意しましょう。
症状の解決に最適なアプローチで修理できず、症状が悪化・他のパーツを損傷させてしまった場合は当然ながら修理費用が高くついてしまいます。最初から業者に依頼すればよかったと後悔しないために、自分で修理を試みる場合は消耗品など一部の簡易なパーツ交換作業に限定しましょう。
ピアノを修理して良好なコンディションに保っておくと、ピアノを売却する際にも高価買取りが期待できます。「打鍵すればちゃんと音が出る」や「メーカーのロゴがきれいに残っている」といったプラスポイントがあれば、想定を上回る価格で買い取ってもらえるケースも少なくありません。音が出なくなったピアノを修理して弾きたいなどの目的に限らず、いずれ売却を検討している場合は費用を最小限に抑えて修理を試みましょう。
関連記事
- 一つ前のコラム:ヤマハサイレントピアノSC2タイプについて
- 一つ後のコラム:子どもの音感を自宅のピアノで鍛える!トレーニング方法を解説
- ピアノを長く使うために湿度や温度に気をつけよう
- 大切なピアノのオーバーホール時の注意点
- ピアノを長持ちさせるために!汚れの落とし方と日ごろのお手入れ