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2018.01.30
ピアノを長持ちさせるために!汚れの落とし方と日ごろのお手入れ
ピアノを長年使っていると、知らず知らずのうちに傷が付いたり、鍵盤の不調や音質、音量の変化などが生じることがあります。これらはお手入れ次第で防ぐことができ、長くきれいに保つことができます。今回は、ピアノを長く使い続けるために、汚れの落とし方や日ごろのお手入れ方法をご紹介します。
外装面・鍵盤・ペダルのお手入れ
それぞれの箇所に適したお手入れグッズ、お手入れ方法をご紹介します。
外装面のほこり
表面に付いたほこりは、ピアノ用の毛ばたきで優しく払います。強い力で拭き取ると、すり傷ができる原因になるので注意しましょう。ほこりを溜めないよう、こまめに払い落としましょう。
外装面の手あか汚れ
塗装面に手あか汚れが付くと、ピアノ特有のきれいな光沢が失われてしまいます。そんな時はまず毛ばたきでほこりを落とし、かたく絞ったタオルを使ってお手入れします。水拭きした後は、ネル生地のやわらかいクロスで乾拭きして仕上げましょう。ピアノの塗装が「半艶仕上げ」や「艶消し」の場合は、強い力でこすると艶が出てしまう場合があります。優しく拭き取るようにしましょう。
(艶出しの方法はこちら:自分で簡単にピアノの外装面の艶出しをする方法)
鍵盤のお手入れ
最も触れる機会が多い鍵盤は、特に汚れやすい部分です。汚れを蓄積させないためには、弾いた後は必ず乾いた布で鍵盤を拭きましょう。汚れが気になるときには、かたく絞った布で鍵盤を水拭きしてから、やわらかいネル生地のクロスで乾拭きすると良いでしょう。
鍵盤をきれいに保つには、何より「汚れた手で弾かない」ことが大切です。自分ではきれいだと思っていても、手には目に見えない汚れが付いているものです。ピアノを弾く前の手洗いを習慣にすれば、鍵盤を長くきれいに保つことができます。
鍵盤の汚れ
鍵盤の汚れが気になるときに使用したいグッズは、鍵盤クリーナー(キークリーナー)です。注意しないといけないのは、黒檀調天然木には使えないことです。鍵盤上面の素材がアクリペットやフェノール以外の鍵盤には使用しないで下さい。お手入れ後は、クリーナーが鍵盤に残らないように乾いた柔らかい布で拭き取ります。鍵盤の素材が分からない場合は調律師や楽器店に相談しましょう。
ペダルの変色・サビ
ペダルは、銅と亜鉛の合金である、真鍮(しんちゅう)でできています。湿気などの水分に弱い性質なため、年月が経つと変色やサビが生じることがあります。その際に使用したいグッズは、ピアノコンパウンドです。変色やサビを取り、美しい光沢を復元できます。ただし、汚れやくすみの度合いによっては、かなりの時間磨き続けなければならないこともあります。
その他、ピアノを長く使うために気をつけたいこと
ピアノの上に物を置かない
ピアノの上に物を置くと、音に影響が出る原因になります。ピアノの音を出す響板がよい音を出すには、ピアノ全体の「振動」がとても大切です。しかし、上に物が置いてあると振動が吸収されて響きが悪くなり、雑音が出ます。中でも特にピアノの上に置いてはいけないものは、花瓶です。万が一倒れてピアノの内部に水が侵入すると、サビや故障の原因になります。ピアノは湿気に弱い楽器であるため、十分に注意が必要です。
フルカバーは使わない
「ピアノに傷が付かないように」「ほこりがたまらないように」と、ピアノにフルカバーをする方が少なくありませんが、フルカバーはピアノにとってよいものとはいえません。ピアノにフルカバーをすると風通しが悪くなり、湿気がこもるからです。
中古ピアノのお手入れ
ピアノの購入を考えたとき、さまざまなピアノを見比べた結果、中古ピアノを選ぶという方も少なくありません。年月が経っていても十分に使用できるきれいな中古ピアノは、前の持ち主がお手入れを欠かさず大切に扱っていたからです。中古ピアノを購入したら、より長持ちさせるために丁寧な扱いと、こまめなお手入れを心掛けましょう。
ピアノは、とてもデリケートな楽器です。年月が経つにつれ少しずつ劣化してしまいますが、お手入れ次第では長持ちさせることができます。正しいお手入れ方法を知って、ピアノをよい状態に保ちましょう。
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