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2017.10.30
ピアノを長く使うために、湿度や温度に気をつけよう!
ピアノは、湿度や温度の変化に敏感です。特に、湿気が高すぎたり低すぎたりすれば、部品が劣化して、寿命が早まってしまうこともあります。ピアノを長持ちさせるために、ピアノを置く部屋の環境に気を遣うようにしましょう。ここでは、ピアノにとって最適な環境についてご説明します。
夏の湿気はピアノの大敵! 湿度管理に注意しよう
ピアノの弦は金属でできていますから、湿度が高くなると、弦がさびやすくなってしまいます。また、木やフェルト部分も湿気により悪影響を受けますから、湿度が高い状態が続くと、音がこもったり出にくくなってしまったりピアノが弾きづらくなることがあります。 このように、湿気によりピアノの部品が劣化していけば、ピアノの寿命も短くなってしまうでしょう。ピアノを置いておく場所の湿度は、しっかり管理することが大切です。
ピアノは乾燥にも弱い! 冬も注意が必要
ピアノは湿気に弱いものですが、だからと言って湿度が低すぎるのもピアノにとって良くありません。室内の空気が乾燥しすぎると、木が収縮するためフレンジと呼ばれる木製のハンマーの関節部分がぐらついたり、ネジがゆるむことによって、雑音の原因になります。また、乾燥することにより、木材の部位にひびが入る可能性もあります。 湿気が低い状態が続いても、ピアノの寿命は短くなる恐れがあります。特に、冬は空気が乾燥しがちです。エアコンを使えばさらに室内が乾燥しますから注意しましょう。
ピアノにとって最適な環境を作るためのポイント
ピアノにとって最適な温度は15~25℃、湿度は50%前後です。冷暖房器具を活用しながら、適切な温度設定にするようにしましょう。また、湿気がこもらないよう、雨の日はなるべく窓を開けず、晴れた日は風通しを良くしておくことも大切です。 そのほかに、ピアノのために適切な環境を作るために特に気を付けたいのは、以下のような点です。
エアコンの風がピアノに直接当たらない場所に設置する
ピアノにエアコンの風が直接当たると、乾燥の原因になってしまいます。また、夏場はエアコンから水滴が落ちることもあるので、ピアノをエアコンの真下に置くのは危険です。できれば、ピアノはエアコンから少し離れた場所に置くようにしましょう。
除湿機、加湿器を設置する
年間を通して湿度を50%前後に保つことができれば、ピアノの状態も安定して長持ちします。湿度を調整するためには、湿度計を用意し、除湿器や加湿器を設置して湿度の調整を行うのが良いでしょう。
ダンプチェイサーを取り付ける
ダンプチェイサーは、ピアノに取り付けて使うピアノ専用除湿器で、突っ張り棒のようなヒーター(防湿器)がピアノ内部を暖めながら湿気を取り除く仕組みになっています。ヒーター本体は50度以上の高温にはならないため、発火の心配はありません。また、湿度が約47%になると自動的にスイッチが切れるようになっているので、手間なく安全な使用ができます。
一般家庭にピアノを設置するときには、ピアノのために完璧な環境を用意することはなかなか難しいことです。それでも、意識してできることだけでもやってみれば、ピアノを長持ちさせることができるでしょう。上記を参考に、ピアノにとって良い環境を作ることを目指してください。
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